※ Kantainer®(カンテナ)…p.12参照18Kantainer®を利用した地域エネルギーの活用環境事業部のビジネスはどのようなものですか。環境事業部では、主に自治体向けのリサイクル施設の設計・施工と、これら施設の運転受託やメンテナンスなどを行っています。リサイクル施設と一括りに言っても、粗大ごみや不燃ごみを細かく破砕する施設、資源ごみのリサイクルをする施設など様々あり、工事範囲は多岐にわたります。また新たな分野として、バイオガス発電施設や林業関連の製品を手掛けるバイオマス事業にも取り組んでいます。環境事業が始まったきっかけをお聞かせください。当社グループの環境事業は、「極東・トレマッシェ®ごみ破砕機」(竪型高速回転式破砕機)を欧州より技術導入したところからスタートしました。初号機は1970年、千葉県松戸市様へ納入しています。当時は高度経済成長期の真っただ中にあり、経済発展の裏で増加する、大量かつ多様なごみの処理が社会問題となっていました。そんな中、何でも破砕することのできる極東・トレマッシェ®は、ごみの減容化やごみ焼却施設の燃焼効率改善の面で大活躍しました。それから50年が経過した今、当社グループの破砕処理技術は業界でもトップクラスの評価をいただいています。コンパクトな施設設計によって省エネを実現している点や、処理物に爆発性危険物が混入していた際の爆発・火災対策が高く評価されています。これからの日本で想定される、廃棄物処理分野での課題とは何ですか。少子高齢化による地方都市の人口減少は、廃棄物処理分野にも大きな影響があります。施設の処理効率を考えると、常に一定量以上の廃棄物があることが望ましいのですが、過疎化がすすんだ地域ではその量が確保できません。そこで回収エリアを統廃合し、広い範囲の廃棄物を一つの大きな施設で処理する「広域化」が最近では主流となっています。広域からの資源回収を効率的に行うために、各回収拠点と処理場との間に設置する「中継施設」は、これから需要が見込まれる分野として注目しています。今後も日本のあちこちで過疎化がすすみ、このような課題が出てくるでしょう。グループの力で課題解決に全力で貢献していきたいと考えています。廃棄物処理業界も、時代の流れを受けて大きく変わろうとしています。環境事業部では持続可能な社会の実現にどのように貢献していこうと考えていますか。冒頭でも触れましたが、環境事業部ではバイオマス事業に取り組んでいます。DOWAホールディングス様に納入した岡山県のバイオガス発電施設(2021年1月竣工)は、食品メーカーやスーパーから出た生ごみ・食品残さをメタン発酵させ、発生したガスで発電を行う施設です。また地域のエネルギー源として、当社グループの木質チップ乾燥コンテナシステム「Kantainer®(カンテナ)※」で乾燥させた剪定枝や木質チップを、ボイラーで燃焼し温水利用する取り組みを兵庫県ですすめています。バイオマス事業は、循環型社会や脱炭素社会の実現だけでなく、「エネルギーの地産地消」を通じて強靭な地域社会づくりの実現にも貢献できる分野なのです。私たちの子孫に持続可能な未来を受け渡すためにも、これからも事業部全体で力を合わせ、今すべきことを考えながら社会へ貢献し続けて参ります。極東開発工業株式会社取締役 執行役員環境事業部長堀本 昇環境事業次世代へつなぐ、地域・環境への取り組み
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