CSR REPORT 2021
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20スーダンに納入した給水車極東開発グループの海外事業についてお聞かせください。当社グループの海外における事業展開は、中国・インド・インドネシアの3国に構えた拠点を中心に、現地ニーズに合った特装車の生産と販売を行っています。それぞれの拠点で現地採用をすすめており、製品による貢献だけでなく、雇用や経済発展の側面でも皆様に喜んでいただいています。また、グループの拠点があるアジア以外の地域に対しても日本の工場で生産した製品を輸出し、現地の課題解決を支援しています。これまで中南米や中東やアフリカなどの途上国を中心に、世界中に当社グループの特装車を送り出してきました。途上国の課題は多岐にわたりますが、具体的にはどのような製品の需要が多いのでしょうか。国や地域によって求められる製品は様々です。たとえば、水道インフラが行き届いていない地域からは給水車の注文をよくいただきます。これまでもコンゴ、スーダンなどのアフリカ諸国や太平洋諸島諸国を中心にODA(政府開発援助)を通して、給水車を数多く輸出してきました。また、衛生環境が問題となっている地域にはごみ収集車を輸出しています。記憶に新しいところでは2019年度、キューバに向けてごみ収集車100台を納入し、首都ハバナが抱えていた慢性的なごみ問題の解決に貢献しました。もちろんそれ以外も、多くの国に交通インフラ整備や物流支援につながる製品などを提供しています。最近では新型コロナウイルスへの対応として、ワクチン輸送車や移動診療車などの提案もすすめており、社会の変化に合わせた迅速な対応ができるよう、日々活動をしています。人口増加と経済発展という観点では、インドの成長が今後注目されるところですが、この度グループに加わったSATRAC ENGINEERING PRIVATE LIMITED(以下、SATRAC社)について教えてください。確かにインドは発展の余地を多く残しています。逆にいうと、私たちがこれまで国内や他のアジア地域で培ってきた技術やノウハウを注ぎ込む余地も多いということです。そのために、これまで現地で多くの実績を積み重ね、顧客からの信頼も厚いSATRAC社をグループ化し、インドでの活動地盤を強化しました。インド国内は新型コロナウイルスで混乱の最中ではありますが、SATRAC社は順調に業績をあげています。インドをはじめ世界にはこれから発展していく地域もたくさんあります。その一方で、環境や社会との調和のとれた発展が必要不可欠だといわれています。今後、海外への事業展開において当社グループはどのように貢献していくべきでしょうか。現地の人の声に応えるのはもちろんのこと、自然環境や地域社会にも配慮した製品を提供することが私たちの使命です。安全で使いやすいだけでなく、耐久性があって末永く使っていただける製品が、本当の意味で「いい製品」です。もちろん、ムリな使い方をして壊れることがないよう、正しい使い方やメンテナンス方法を指導するといったことも私たちメーカーの「つくる責任」だと思っています。また、国内同様に海外においても「お客様や市場から求められる製品、品質の良い製品を適正価格で」というポリシーは変わりません。そのためにも中国・インド・インドネシア、それに日本国内に構えた事業拠点を効果的に使い、相乗効果をフルに発揮することで世界の持続可能な発展に貢献していきます。 極東開発工業株式会社 取締役 常務執行役員 海外事業部長 則光 健男海外事業グループの力で世界の持続可能な発展へ

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