※1 株式市場の再編…2022年4月4日から、新たに東証がプライム・スタンダード・グ ロース市場に再編される。※2 TCFD…2016年、金融安定理事会によって設立された「気候関連財務情報開示 タスクフォース」。気候変動が世界経済にリスクを与えていることに伴い、気候変動 関連のリスクと機会について企業に情報開示を求めている。※3 DX…進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革さ せるという概念。デジタルトランスフォーメーション。7社外取締役会談738極東開発グループとカーボンニュートラル原田: 新型コロナウイルスによって、社会や経済のあり方が大きく変わりました。新時代への対応という点では、「カーボンニュートラル」の実現はグループにとって大きな課題です。ただ、当社グループはこの課題を「リスク」であると同時に、新たな価値を生み出す「機会」として捉えています。木戸: 従来からグループでは、脱炭素社会に資する様々な取り組みを行ってきていますね。(p.31〜p.33参照)今後は、各分野でより具体的な数値目標を掲げるなど、誰もが分かりやすく、一丸となって取り組める仕組みをつくることが求められるのではないでしょうか。ステークホルダーの関心も高いと思います。道上: 投資市場でも動きがありますね。来春に予定されている株式市場の再編※1に関連して、プライム市場上場企業にはTCFD※2レベルの気候変動に関する情報開示が求められています。原田: 毎年、日本のどこかで大雨・洪水による災害が発生し、その度に企業のサプライチェーンにおける対応がメディアで取り上げられています。当社グループもTCFDに準じ、あらゆるシナリオを想定した対策を次の中期経営計画ですすめていきます。リスク対応とコーポレートガバナンス原田: 昨今は、SDGsなど「社会の持続可能性」の視点を積極的に経営に取り込むことが求められています。その一方、ガバナンスの重要性もクローズアップされています。道上: 2021年6月に、コーポレートガバナンス・コードの一部改訂が行われました。改訂のポイントは、大きく「①取締役会の機能発揮」「②企業の中核人材におけるダイバーシティ(多様性)の確保」「③サステナビリティ(持続可能性)をめぐる課題への取り組み」「④その他個別項目」でした。今後、社外取締役の拡充を推しすすめる際には、ジェンダーや国際性、専門性、スキルなどのあらゆる多様性をバランスよく確保する視点が重要となってくるでしょう。木戸: そうですね。取締役に限らず組織全体のダイバーシティへの取り組みは、リクルーティングにも影響するので今後も積極的に検討をすすめる「中期経営計画2019-21〜To the Growth Cycle〜」とこれから原田: さて、2021年度は「中期経営計画2019-21 〜To the Growth Cycle〜」の最終年度となります。木戸: 基本方針に掲げられている「①生産性の向上と利益体質の強化」「②将来の収益源の確保」「③企業品質の向上と社会的価値の深化」については着実に進捗している印象です。今後は「ニューノーマル」や「IoT・AIによるDX※3対応」とともに、コロナ禍や気候変動など様々なリスクとの共存・対応がステークホルダーからさらに強く求められるでしょう。道上: ご指摘のとおり、コロナ禍や気候変動など様々なリスクとの共存・対応はより一層求められることになると思います。この点、中期経営計画の基本方針のもと着実にすすめられてきた働き方改革や業務改革を今後も一層推しすすめることが、ひいては上記リスクとの共存・対応やコンプライアンスの確保にもつながると考えております。原田: 今は「先の見えない厳しい時代」と言われますが、それはあくまでも従来のやり方を前提に考えようとするからです。これを「ゲーム・チェンジ」と捉えると、当社グループにとって社会に貢献できる機会はむしろ増えるはずです。グループ間シナジーの効果を発揮して次の時代を創っていくことが当社グループの使命です。これからも積極的に社会への対応を図り、持続的成長と社会貢献につなげる企業活動を続けて参ります。社外取締役会談極東開発工業株式会社社外取締役道上 明極東開発工業株式会社社外取締役木戸 洋二べきでしょう。その視点で申し上げるなら、特装車の分野でも女性ドライバーが増えつつある中、社外取締役に女性を選任することも適切なアドバイスを得るなどの助けとなるかもしれません。原田: コーポレートガバナンス・コードの改訂をグループのガバナンス機能向上をすすめる好機と捉えて、中長期を見据えた取り組みを推進していきます。極東開発工業株式会社取締役 常務執行役員原田 一彦
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