社長メッセージ


◆社長メッセージ

長期ビジョンのもと一致協力し、
総合インフラメーカーの使命を果たす。




物価高騰・半導体不足によるシャシ生産停滞の影響を受けた2022年度

2023年3月期の売上高はグループで113,089百万円、営業利益は991百万円となりました。これは原材料やエネルギー価格の高騰ならびに半導体不足によるトラックシャシ納期の長期化の影響を受けた結果となります。その様な中でもこれまでの製品品質を維持し、引き続きご満足いただける製品を提供していくために、お客様にもご理解いただきながら昨年から今年にかけて段階的に販売価格を改定させていただきました。
これからトラックシャシの供給は徐々に回復するとみています。刻々と変化する市場からの情報を機敏に捉え、ムダ、ムリを排除しながら生産性を高める動きが重要になります。幸いこれまで培ってきたトラックメーカー各社との信頼関係から、互いに協力しあう体制が整っているので、うまく連携することで業績にも好影響が出ることを期待しています。
一方、引き続き物価の高騰などの課題は残りますが、社会や経済を支えるインフラは引き続き維持していかなければなりません。また、それらに加え気候変動や災害など拡大するリスクに対する積極的なソリューションが必要です。人々が暮らす上で必要不可欠な基盤整備に貢献しているという使命を胸に、持続可能社会の実現と当社社グループの成長の両立を追求していきます。



業界の変化に応えるため、新たな技術へ挑戦し続ける

自動車業界が「100年に1度の変革期」と言われて久しいですが、日々変化する市場ニーズに応え続けるためには今までと同じ製品を作っていては時代に取り残されます。特に我々の扱う特装車をはじめとした自動車は、今や社会にとって必要不可欠なインフラであると同時に温暖化の原因であるCO2を多く排出する要因にもなっています。例えばダンプトラックについては、これまで頑丈さを重視するあまり重量化する傾向にありましたが、最近はCO2排出量削減や積載効率など環境面での性能を求められるようになってきました。また、物流業界においてもドライバー不足や働き方の見直しに関連した法整備など変革がすすんでいます。この問題に対して車両の大型化など、なんらかの対応をすすめていく必要があります。このように刻々と変化する環境にいち早く応えていくために、現在、愛知県豊田市に特装車の研究開発を行うテクニカルセンターを始動させる計画をしています。この施設ではこれまでシミュレーションや部分試験などで行っていた開発製品の試験を実物大・実稼働で行い、従来の方法では想定し得なかった不具合を最短時間で抽出して改良していくことができます。 本施設により長期経営ビジョンに掲げる「確固たる品質」と「卓越した技術力」を実現し、開発サイクルを大幅に短縮して高い競争力を生み出すメーカーを目指します。



社員を含む、全てのステークホルダーが誇れる企業に

2023年2月に本社を兵庫県西宮市から大阪府大阪市に移転いたしました。1957年から成長をともにしてきた場所を離れることは寂しくもありましたが、お客様との距離が近づくなど情報へのアクセスが向上するだけでなく、事業継続計画(BCP:BusinessContinuityPlan)やセキュリティが強化されるといった事業リスクへの対策も考慮し移転を決断しました。 また、移転の効果は採用活動や従業員のモチベーションといった人的パフォーマンスにも表れています。特にこれからは人材の確保が難しくなってきます。DX(デジタル・トランスフォーメーション)を活用した業務効率の改善やダイバーシティの推進を、重点課題として取り組んでいかなければならないと感じています。例えば、営業活動においては今まで以上にデジタルツールが重要になってきます。タブレット端末などを活用することで、よりきめ細かな提案がスピーディーにできるようになるだけでなく、コミュニケーションそのものの質が向上します。仕事での成果は本人のやりがいやモチベーションにもつながるので、DXをうまく活用する必要があります。働き方・ダイバーシティについては、ジェンダーに関係なく全ての従業員がより大きな仕事ができるような環境を整え、管理職になるモチベーションを持ってもらえるように取り組むことが大切だと感じています。男性の育児休業も徐々に定着してきているので、それがさらに普及して男性が当たり前のように育児に参加する社会へと変化していく必要があると感じます。 また、残念ながら現段階では女性の管理職やリーダーは極めて少ないですが、これからは女性社員にも管理職を目指してもらいたいと考えています。そのためにも、職場の環境整備やアンコンシャス・バイアス研修を実施しています。一方、取締役においては昨年度から女性の方に社外取締役として就任いただきました。男性とは違った視点で意見が出るようになったことで、これまでにも増して取締役会に活気が出たように感じます。
業績に直接関わる取り組みではありませんが、文化貢献として大阪フィルハーモニー交響楽団への協賛を新たにはじめました。新たな拠点である大阪が発展することで我々も活気づくのではないでしょうか。大阪の文化を守り育てるのも、企業としての大きな責任だと感じています。



カーボンニュートラルを軸とした製品・サービスの開発

日本国内においては特装車市場の拡大は限界にきていると感じています。その中でシェアを大きく動かすことは容易ではありません。そこで次に考えるのは海外市場への挑戦です。現在、特装車事業の売上高の約10%を海外が占めており、特にインドやインドネシアが好調です。人口増加の下支えによって今後も内需主導での成長が期待できるインドにおいては、生産能力の増強に引き続き注力したいと考えています。環境事業では、全国の市町村から受注したリサイクル施設の建設や運転管理を行ってきました。近年は人口減少や過疎化によってごみの回収や処理施設の運転効率に関する新たな課題も出てきており、その対策にも着手しつつあります。また、再エネの普及へも取り組んでいます。バイオマスによる新エネルギー施設及び家畜ふん尿や食料残渣などを活用したバイオガス発電施設はこれまでにも納入してきました。今も新たなプロジェクトが進行しつつあります。気候変動や災害リスクに強い持続可能な社会づくりのためにも、地域のニーズに合った提案を引き続き行っていきたいと思います。
パーキング事業では、立体駐車装置・コインパーキング向けEV用充電設備設置・充電管理サービス「Charge-moTM(チャージモ)」を発表しました。日本は自動車先進国とはいえEV車の普及が欧米に比べて遅れているのが実情です。その状況は街中での充電スポットの少なさからも見てとれます。温暖化対策として大きな効果が期待できるEV車を普及させるためにも、マンションの立体駐車場を手掛ける我々としては、いちはやくこの状況に対応する必要があります。
各事業ともカーボンニュートラルをはじめとする社会的課題解決に寄与する製品・サービスの開発を積極的に行うことが、企業価値と社会的価値の双方の向上につながるものと確信しています。工場でのソーラーパネルや蓄電池の設置など事業活動から直接排出されるCO2を削減するだけでなく、製品の使用や施設の運転といったバリューチェーンの視点での削減にも取り組んでいかなければなりません。



グループの「和協」を大切にシナジー強化でさらなる企業成長へ

中期経営計画では「グループ間シナジーの強化」を重要項目として挙げています。先にお話ししたテクニカルセンターには、シナジー効果を最大限に発揮するための場所としての役割もあります。つまり、極東開発工業と日本トレクスの双方の技術力が融合する場です。それは海外でのものづくりにおいても同じで、それぞれの組織のいいところを意識的に融合させていくことが大事だと考えています。社是にある「信用」「確実」「和協」の「和協」はとても深い言葉ですが、グループとして成長するためには必要不可欠な概念です。今後も創業当時から大切に培ってきた経営理念・社是の精神を礎に、人々のインフラを支えているという使命のもと、技術と製品をスピーディーに提供し続け、持続可能な社会づくりに邁進していく所存です。
引き続き、当社グループへのご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。



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