当社で開発・設計に携わる多くのスタッフと同じように、私も子どもの頃から“はたらく自動車”が好きで、将来はダンプや脱着ボデー車の設計がしたいと思っていました。漠然としていた夢が明確な目標に変わったのは、大学でソーラーカー・サークルに入って、設計や製作に関わったことがきっかけです。完成したソーラーカーがサーキットを走る光景を見た時、「これしかない!」と感じました。
特装車をつくる会社の中で極東開発工業への就職を希望したのは、限られたパーツだけでなく、特装車全体の設計・製造に携われることに魅力を感じたから。きっと、「クルマをつくっている」という実感を味わいたかったのでしょう。今でも自分が担当した特装車が完成したところを見ると、ソーラーカーの時に勝るとも劣らない喜びが湧いてきます。
現在は、ごみ収集車の開発を担当しています。具体的には、指定された強度・機構・性能をクリアしているかを計算し、実際に製造可能であるかを検討したうえで、設計図を作成します。そして試作車をつくって評価試験を行い、データをもとに改良・調整を行います。また、製品としてでき上がったはたらく自動車が設計通りに製造されているか検証することも大切な仕事です。
こうした開発は、お客様からの依頼によるものだけでなく、自社製品というケースも少なくありません。私が入社5年目の時に担当した、「eパッカー®」というごみ収集車もそれにあたります。「eパッカー®」は、エンジンのエネルギーで装置を駆動させる従来のごみ収集車とは異なり、搭載するバッテリーの電気によって装置を駆動させる、新しい技術を採用した製品です。このシステムによって作業時のCO2排出量の削減や、騒音の低減などのメリットが生まれます。
新しいことにチャレンジするということで、思い通りに進まないことも多く、時には心が折れそうになることも。しかし、“世の中にないはたらく自動車”をつくる仕事は、そういった苦労とは比べものにならないくらい大きなやりがいがあります。
仕事をするうえで大切にしているのは、「数字の正確さ」。以前一緒に仕事をした方から、「設計図などに記載される数字を信頼して、多くの人が動くことを意識するように」と教えていただきました。その言葉は、設計図で完結していた自分にとって衝撃的でした。それからは常に、設計から作業を引き継ぐ人たちのことを考え、数字の正確性には徹底的にこだわっています。
これからの目標は、社会に役立つ、今までにない特装車をつくること。そして機能や性能はもちろんのこと、見た目も美しいデザインにするなど、自分のカラーを出せればと思っています。
当社の採用サイトを見るのは、“はたらく自動車”に興味のある人が多いと思います。当社は自動車が好きな人や、開発・設計の仕事を希望する人にとって、働きがいのある会社です。ながい歴史の中で培われたノウハウと、優秀な先輩方の指導によって、高いスキルを身につけることができます。また、新しいことにどんどんチャレンジできることも魅力です。毎日が発見の連続ですよ!
2016年取材当時