子どもの頃から自動車が好きで、自動車に関連した仕事に就きたいと思っていました。その夢は次第にダンプやコンクリートポンプなど、自動車の力を活用して他の役割を果たす、“はたらく自動車”の設計へと焦点が絞られていきました。そして工業系の大学に進学し、機械工学を専攻。大学での学びの中で、ハンディキャップをもった方々のための福祉車両にも興味をもつようになりました。
就職活動では、いくつかの会社の説明会や見学会に参加しました。その中で当社への就職を希望したのは、さまざまな種類の製品をつくっていることに大きな可能性を感じたからです。また見学会の際に、社員の方々が気さくに声をかけてくださり、技術に関するアドバイスをしてくださったことも決め手となりました。部署の隔たりがなく、さまざまな人と協力しながら働き、成長していけると思ったんです。実際、新人の頃、先輩方が親身になって指導してくださったおかげでスキルアップできました。今は先輩を手本にして、後輩の指導に力を入れています。
入社して環境事業部に配属に決まった時は正直、「何をする部署なんだろう?」という気持ちでした。自分ははたらく自動車の設計をすると思い込んでいたので、環境事業部についてほとんど調べていなかったんです(笑)。ただ、自分がいちばんやりたかった設計を担当させてもらえるということで、3年はここでしっかり経験を積もうと思いました。
そして担当となったのが、ごみ処理施設の機械設計。営業技術課が大枠の設計案をつくって受注した施設の具体的な設計をします。不燃ごみ・粗大ごみを破砕・選別する機械や、缶・びん・ペットポトル・プラスチックなどの選別や圧縮梱包をする機械など、扱う機械は多岐に渡ります。
実は本格的に仕事に携わる前はうまくできる自信があったのですが、これまで身につけた知識だけではまったく歯が立ちませんでした。ごみに関する法令は地域によって異なるうえ、漁業が盛んな地域であれば、ごみの中に網が混じっているなど、ごみの内容も変わります。こうしたさまざまな条件を満たし、さらに一つひとつの機械の性能だけでなく、施設全体のことを考えて設計するのは大変でした。それは今でも大きなチャレンジですが、むずかしいからこそ「やってやるぞ」という意欲が湧いてきますし、完成した時に大きな達成感を味わうことができるんです。
今の自分があるのは、入社2年目の時に携わった案件のおかげです。約2年間をかけて設計をした機械に対して現場からきびしい意見をいただき、機械や施設を使う人の立場に立って設計する大切さを学びました。それ以来、お客様の使い勝手やメンテナンスを考慮した設計を心がけています。こうしたことは、現場に足を運ぶことで得られる学びです。当社は設計者も現場に行き、お客様と直接関わる機会が多いので、すごく勉強になります。
小さい頃から自動車の設計を夢見てきましたが、今は環境事業部での仕事を極めていきたいと考えています。
自分がやりたいことやアイデアが、カタチになる会社だと思います。もちろんビジネスして有効であるという評価を受けてはじめて実現することではありますが、少なくとも真剣に検討してもらえます。私はまだキャリアが浅い時に「施設の主担当をしたい」という希望を伝えたところ、次の年の案件で主担当を任せていただきました。
先輩がやさしく、いろいろな技術を教えてくださることも当社の素晴しいところです。設計者にとっては働きがいのある職場ですよ!
2016年取材当時