北海道北広島市様より受注したごみ中継施設の建設工事です。
一般廃棄物の広域処理の一環として、可燃ごみを効率的に運搬するため、当社のコンパクタ装置で圧縮し、専用車両に積み替える施設の建設が求められました。
大崎 琢哉
2005年入社
環境事業部
エンジニアリング本部 技術部 エンジニアリング一課
豊嶋 祐樹
2015年入社
環境事業部
エンジニアリング本部 技術部 電気課
仲原 雄
2018年入社
環境事業部
エンジニアリング本部 技術部 エンジニアリング三課
環境省から廃棄物処理施設の広域化を推進する方針が打ち出されて、各地で中継施設のニーズが高まっています。このプロジェクトもそういった流れの中で始まりました。
そうですね。広域化によって各市からのごみの運搬距離が長くなるため、中継施設でごみを圧縮して大型車両に積み替える必要が出てきたんです。
これまで中継施設のコンパクタシステムは、競合他社が強い分野だったんですよね。そこで私たちは、自治体の建設コスト削減にも貢献できる新型システムの開発に挑戦することになりました。
コスト面での競争力を高めながら、高品質な施設を提供するというチャレンジでしたね。実は北広島市の前に受注に至らなかったプロジェクトがあったんですが、その準備で培った経験も活かして開発を進めていました。
ただ、かなりタイトなスケジュールでしたよね。建設工事の受注から施設引渡しまでわずか2年。しかも用地が池だった場所で、整地から始める必要がありました。
そうそう。他の施設が稼働しているクリーンセンターの敷地内という制約もあって、本当に厳しい条件でのスタートでしたね。
新型コンパクタの開発では、特装事業部との連携が重要でしたよね。
そうですね。私たちは施設側のシステムを担当し、特装事業部はフックロール車と輸送用コンテナを担当。両者がうまく噛み合わないと成立しないプロジェクトでした。何度も協議を重ねながら、法規に適合しつつ、施設での使用に耐えうる設計を目指しました。
電気設計の面でも、まったく新しいシステムだったので、センサーの選定から制御方法の検討まで、すべてが手探りの状態でしたね。
工場での仮組・動作試験を徹底的に行って、品質と安全性を確保しましたよね。ただ、実際の現場では予想外の課題も次々と発生してしまって。特に寒冷地である北広島市ならではの苦労もありました。
油圧の温度管理など、想定以上に気を使いましたからね。でも、皆さんの考え方が柔軟で、問題が起きても「やってみよう」という前向きな雰囲気があったのが印象的でした。
そうですね。部門の垣根を越えてアイデアを出し合い、検証し、改善していく。そんな協力体制が築けたことは、大きな財産になりました。
プロジェクトとしては大成功でしたね。北広島市からも高い評価をいただき、社長表彰も受けました。今回の実績を踏まえて、既に次のプロジェクトが決まっているんです。早速、今回の経験を活かせる機会が来ています。
寒冷地対応や多様なごみ質への対応など、実践で得られたノウハウを次に活かせるのは心強いです。
特に現場での試運転調整で得られた知見は大きかったですね。実際のごみを扱う中で見えてきた課題を、次回は設計段階から考慮できますから。
今回のシステムをベースに、処理能力の向上やコストダウンを図っていきたいですね。地域によってごみの種類も違いますから、より汎用性の高いシステムを目指していきたいと思います。
私も今は別のリサイクル施設を担当していますが、この経験で得た知見を活かして、新たな価値を生み出していきたいです。
そうですね。環境分野の技術革新に終わりはありません。これからも社会に貢献できる製品開発に挑戦し続けていきましょう。